lab,マーケティング

2014年12月18日

【DEMO LAB.】お客さまを知るためのカスタマージャーニーマップの作り方

はじめに

なぜカスタマージャーニーが必要なのか。

消費者がモノではなくモノ(やその周辺)との関わりから生まれる体験に対して価値を感じ消費行動を行うようになり、カスタマーエクスペリエンス・ユーザーエクスペリエンスという言葉がマーケティングワードとして重要視されるようになりました。

今までは「買ってもらう」ことで終わっていたコミュニケーションが「買ってもらった結果、使って満足してもらう・好きになってもらう」、さらには「また利用したいと思ってもらう」といったコミュニケーションに変わってきています。
商品を「買ってもらう」以前にモノや情報があふれているこのご時世、商品を「選んでもらう」ことも重要です。

つまり、カスタマーエクスペリエンス・ユーザーエクスペリエンスに重要なことは消費者のことをよく知り、最適なコミュニケーションを取り続ける、ということになります。
消費者が「●●したい」と思った時に適切なサービスや情報を提供する、といった、各接点での最適な「おもてなし」を実現すること、が重要なポイントです。
そして、消費者のことを知るためのツールの一つが【カスタマージャーニー】ということになります。

で、カスタマージャーニーで何がわかるのよ。

私たちは、カスタマージャーニーはユーザの行動傾向を分析するためのものではなくお客さまが何を思いその行動を行ったのか、行った先にどんな自分を思い描いているのかを知るためのものだと考えます。

▼何かに価値やメリットを感じて次の欲求が芽生えたから次の行動に移る(態度変容)
▼何かネガティブな印象や事象があったから行動をやめる(離脱)

このような「何か」を見つけて、ポジティブなものであればその欲求を叶えればいいし、ネガティブなものであれば取り除くか別の欲求を満たすものを提供する、というのがカスタマージャーニーを使って見えてくるお客さまが喜ぶ施策の第一歩になります。

その施策というのは、サイトのデザインかもしれないし、導線設計かもしれません。
新しいサイトコンテンツの提供が必要なのかもしれないし、もしかしたらそこに新しいビジネスチャンスの芽があるかもしれません。
目指すべき本質は、手法に囚われないところに存在します。

…と、そろそろ前置きは終わりにして、実際に作ってみましょう。

カスタマージャーニーの作り方

今回は、クライアントを仮定して、実際にカスタマージャーニーマップを作るまでの過程をご紹介します。

今回は、関東にある温泉旅館を経営する企業がクライアントで、サイトのリニューアルについてご相談に来られた、という仮定で進めていきたいと思います。

課題・ゴールの抽出

カスタマージャーニーは製品やサービスと消費者の関わりを可視化したものですので、そのコミュニケーションのゴールを設定しないと、どんなマップを書くかがぼんやりとしてしまいます。

ということで、まず課題をお伺いします。今回のクライアントさんの課題は以下のようなものでした。

お客さまに何度も使っていただきたい
旅館ホームページからの予約が少ない

つまり、自社サイトからの予約というコンバージョンを上げることとリピーターの醸成ということですね。

次にクライアントさまのサービスのビジョンやブランドコンセプトを伺います。

これを聞くことはとても大事で、例えば前述の課題を解決するとしたら、やや乱暴ですが
●次回利用で安くなるクーポンを渡す
●ホームページ予約割引を入れる
でも結果を出すこともできたりします。

しかし、それはその旅館にとってありたい姿なのでしょうか?
お客さまが望む姿なのでしょうか?

最初に聞いた課題はあくまで目の前の課題であって、本来クライアントさんの目指すべき大ゴールに向けての通過地点の一つであることに気づく必要があります。
最終的なゴールがブレないためにも
●お客さまとどのようなコミュニケーションを取りたいか
●お客さまにサービスを通してどのような価値を提供したいのか
を伺うことで意識の共有化を図ります。

さて、今回のクライアントのブランドコンセプトは

お客さまが思わず「ただいま」と言えるような安らぎの時間を提供する。

ということでした。素敵なコンセプトですね!お客さまにお伝えしたい!

ペルソナの設定

では誰に価値を伝えて、誰に使っていただきたいか。
消費者といってもとてもたくさんの人がいていろいろな思いを持つ人がいますので、詳細にペルソナを設定します。

ペルソナ設定のための参考デモグラフィック

上記のようなセグメントを参考に、どのような人を描くかを想定しましょう。

今回はちょっと特殊ですが、この旅館のメインのお客さまが「家族旅行」で来られるお客さまが多いということでしたので家族旅行は一人で全部意思決定をするわけではなく、夫婦で合意形成をした上で決められる、という仮説の上で以下のような家族ペルソナを設定してみました。

家族ペルソナ

家族とはいえ、旦那様にも奥様にも人格はあるので、それぞれのペルソナを設定してあります。

仮説の設計

いよいよ渡邉家のジャーニーを可視化していきましょう。

枠組みはこんな感じで用意しました。

カスタマージャーニー枠

横軸は、
旅前:認知>興味・関心>比較・検討>購入
旅中:利用
旅後:継続的接触 というフェイズに分類し、
縦軸の要素としては
タッチポイント…想起するときに接触するメディアなど
行動…消費者が行う行動
ポジティブ…嬉しいと思う気持ちや、~したいという欲求
ネガティブ…離脱に結びつくいやな思い
ビジネス課題…ビジネス上アプローチできそうな気づき
ファクト…裏付けになる数値データ
としています。

次に、それぞれの要素にあてはまるものをポストイットに書きみんなでペタペタ貼っていきます。
今回は夫婦それぞれの感情の動きや行動の組み合わせが発生するので、どっちが、というのがわかるようにしました。

(怒)

その後ペルソナとずれているものを外したり、ポストイットを貼りなおして順番を入れ替えたり、感情なども追加するなどして精度を高めていきます。

調査

ブレストで作成したものからさらに精度を高めたり疑問な点を解消するために、調査をすることもあります。
発表されているアンケートデータを利用することもできますがフリーワードであったり他の回答との前後関係を見ることが重要だったりするので、弊社ではTESLABというアンケートプラットフォームを自社でも所有し、参考データとして活用しています。

そしてデータをまとめて整形したらこんな感じで完成です。

カスタマージャーニー

直接課題・アプローチすべきポイントの発見

カスタマージャーニーはお客さまを知るツールの一つなので、これを作ったからといって何かが解決するわけではありません

このカスタマージャーニーから何を見つけることができるかというのがキモとなります。

まず、ビジネス課題、という部分に消費者自身が離脱しやすい(ネガティブ要素が強い)部分や、現状アプローチできていない部分、その他気づきを書き出します。
作ったマップに上からポストイットで貼り付けていくのもよいかもしれません。

その後、その気づきの部分に対して、対策を考えます。
ターゲットやシチュエーションが絞られてきているので、ここのプランニングは出しやすくなっていると思います。

ということで、今回のカスタマージャーニーから出てきた施策案はこんな感じ。

カスタマージャーニー施策

これだけでもサイト内のコンテンツの提案から外部パートナーとのブランディング戦略までいろいろな施策が出てきました。
夫婦での合意形成プロセスがどのタイミングで行われているか、などが見えてきたのは非常におもしろい発見になったと思います。

クライアントにとっては「サイトのリニューアル」が最初の目的でしたが、もっと効果的な施策や気づきに出会えたかもしれません。

最後に大事なこと

上記のように、カスタマージャーニーは「WEBだけ」「広告だけ」といった狭いタッチポイントではなくサービス・ブランド全体との関わりにおいて描くことで見えなかった気づきを得ることができる可能性があるツールです。
是非、企業において各部署横断した形で作ってみることをお勧めいたします。

ご希望があれば企業単位でのセミナー・ワークショップも開催しておりますので「CONTACT」よりご連絡をお待ちしております。もちろんご意見もお待ちしています!!

カスタマージャーニーは【自分たちが】KPIを達成するため、ではなく【お客様に】喜んで使っていただくためを意識して作りましょう☆

【おまけ】
上記には入れておりませんでしたが、個人的にはこのカスタマージャーニーを書いてみて、家族旅行に行く過程における夫婦ケンカをなくすためのサービスを作ることができたらとてもハッピーなんじゃないかと思ったりしました。一緒に作ってくださる企業さま募集しております(笑)

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