赤坂寺社めぐり第四弾は、「鈴降(すずふり)稲荷神社」をご紹介します。
現在放送しているNHK朝ドラ「ひよっこ」のヒロイン、谷田部みね子が働く赤坂の洋食屋「すずふり亭」の裏にあるお稲荷さんのモデルと言われています。
赤坂サカスや赤坂BLITZの裏手にある細い路地を進んでいくと「鈴降稲荷神社」の矢印と看板が現れます。

 

鈴降稲荷神社_看板

矢印に沿って曲がってみると、民家とマンションの間に小さなお稲荷さんがあります。

鈴降稲荷神社_02

とても小さなかわいらしいお社です。

鈴降稲荷神社_03

賽銭箱も、おもちゃの貯金箱みたいです。

鈴降稲荷神社_04

 

鈴降稲荷神社は、もともと四谷仲殿町にあったものを、元禄八年(1695年)、その社地が御用地となったため、現在の場所に遷座したのだそうです。

▼鳥居の奥に立つ由緒から抜粋

鈴降稲荷神社_05

往古からのいいつたえによると朱雀院天台の頃の創設なりとか。
花園院正和年中※、稲荷の神七歳の童女にのりうつり
「我は鈴降宇賀三社の霊神なり。わが待つところの鈴は天降の鈴なり一たび拝する者には家門繁栄ならしめん」
と神託あり。よって鈴降の神号とすと。
※花園院正和年中:1312年~1317年(鎌倉時代)

又、一説には天正十年織田信長本能寺の変に遭いし折、京阪にありし徳川家康急遽三河に帰らんとて、伊賀越えの際山中にて道に迷いし時、遙かに鈴の音が聞こえるので、その方向にたどりつくと観音堂あり。
堂主山名孝倫なる者がいて之を迎え厨子の中より三箇の鈴を取り出し家康に献じ、且つ付近の住民を集めて道案内と警護をしつつ伊賀の白子に出舟にて海路浜松へ帰ることが出来たという。
家康は此の恩義を徳とし、江戸幕府を開くや、孝倫はじめその折の郷民を江戸に召して四谷に地を給し、これを伊賀同心組とした。
よって彼等は一宇の祠を建て、さきの鈴を神鈴として鈴降稲荷と号し伊賀組の鎮守としたという。