12/3発売の日経MJで毎年恒例の日経MJヒット商品番付が発表になりました。
西の横綱は「妖怪ウォッチ」、そして東の横綱には「インバウンド消費」が選ばれていましたが、「インバウンド消費」とはどのようなものでしょうか。

インバウンドとは「外から中に入ってくる」という意味の言葉で、旅行業界では訪日外国人旅行(者)のことを指します。

ちなみにマーケティングやBtoBのビジネス用語としても「インバウンド」という言葉を使うので、話の文脈からどちらの意で使われているか察しないといけなくなった今日この頃です(苦笑)

余談はさておき、なぜこの「インバウンド消費」という言葉が注目されているかというと、

  • ・2020年に向け訪日外国人旅行者が急増してきている
  • ・不景気による国内の消費減に対し、訪日外国人旅行客の消費動向が活発である

ことが要因と考えられます。

graf1204

今まではグローバル化、というと日本から海外へ展開するといった「アウトバウンド」な取り組みが主流でしたが、今後は日本にいる企業にとってもグローバルなお客様を意識する、ということが必要になってくると言えます。

「インバウンド施策」具体的には何をすればいいの?

では、訪日外国人旅行者を迎え入れる「インバウンド施策」、具体的にはどのようなことをすればいいのでしょうか。
今回はわかりやすく、宿泊先、特に旅館におけるインバウンド施策について考えてみます。

旅館を経営されている方などに話を伺うと、自分や従業員は英語でさえも苦手だし、施設の中には日本語で書かれているものがたくさんありすぎて整理もしなきゃいけないし、どれからどのように手をつけていいのかわからない。といったような話をされていました。
では、一体ユーザーの目線ではいつどこで何を見るのか、そして旅館側はどんな施策を打つ必要があるか、を知る前に旅行者のカスタマージャーニーを描いてみます。

旅行者のカスタマージャーニー

引用:カスタマージャーニーマップを正しく活用するには「おもてなし」と「カスタマーエクスペリエンス」の理解から

例えば上記の図を参考にすると、旅行者との接点は「旅行者が日本に来る」よりも前、「旅行者が自国で宿泊候補を探す」ところから始まることがわかります。

そして、その行動に対して旅館側が対応できることは、予算がある企業などであれば、各国の旅行予約サイトや広告などへの出稿という方法も取れるかと思いますが、多くの企業ができる最低限の施策は「旅館のホームページを多言語化する」ということになります。

実際に、国土交通省 国土交通政策研究所が行った
旅館ブランドに関する調査研究~旅館経営者の外国人旅行者受入の実態と 外国人宿泊客から見た「Ryokan」~
http://www.mlit.go.jp/pri/houkoku/gaiyou/pdf/kkk119.pdf
によると、旅館の予約方法として、旅館ホームページからの直接予約が15.9%に及ぶという結果が出ています。

ホテルではなく旅館を選ぶ旅行者のインサイトとして温泉や客室・料理など旅館ならではのサービスを受けたい人たちなので、写真などが豊富な旅館ホームページは選択するためのメディアとしても最適だと言えます。

ホームページの多言語化をするための体制が整っていない

前段の部分まではわかっていても実際の工数・コストなどの問題で、実施に踏み出せていない、という企業もたくさんあるかと思います。

しかし、上述の国土交通政策研究所調査の中でインバウンド施策の検討を行うに際し32%の旅館経営者が

言語対応(言葉の問題が不安、体制が整っていない)
営業、HP(HPによる取組みを強化したい、日本文化を発信したい)

と回答し不安視している反面、外国人旅行者は、旅館で言語が通じたか、という質問にいいえと回答した方が 33.7%、不自由を感じたと回答した方は 22.8%となっており、言葉が通じないことが必ずしも不自由だと感じているわけではない、という結果が出ています。

アンケートの総括としても

必ずしも言葉が通じないことが外国人宿泊客にとっての不自由につながっている訳ではないと考えられることから、経営者は言葉の対応への不安を理由に外国人旅行者の受入に取り組まないのではなく、対応を考えることが大切と考える

とされており、完璧な言語対応などが求められている、というよりも「何ができるか考えてみよう!」という第一歩を踏み出すことが求められているのだと思います。
それはたぶん「外国人のお客さま」を迎え入れることに対して気構えない、というような思ったよりもかんたんなことからなのかもしれません。

一番優先すべきは「旅館独自のおもてなし」の提供

先に書いたように、外国人旅行者は旅館に対し【旅館でこそ得られる体験】を求めています。
言語対応などのインバウンド施策に追われることでその本質と外れることは、旅行者にとっても、旅館にとっても嬉しいことではありません。

弊社では、旅館のご担当者さまがサービス向上に注力できるよう、
少しでもインバウンド施策に対する負担を軽くすることで、旅行者と旅館のベストなコミュニケーションをお手伝いしたいと考えております。

カスタマージャーニーからのタッチポイント分析により、どのタイミングで何がができるかを一緒に考える
LACU Translationを使って安価で負担のないホームページの多言語化対応をサポート
LACUを使って来館した外国人旅行者と旅館スタッフの会話を翻訳サポート
・外国人旅行者向けホームページコンテンツ制作

などなど、弊社が持っているノウハウやサービスの中からそれぞれのお客様に最適なソリューションをご提供いたします。

来る2020年、東京オリンピック・パラリンピックに向け、国をあげて訪日外国人観光客数2000万人を目標としたインバウンド政策が進められていきます。
5年後、最高の「おもてなし」を提供し、日本のすばらしさを外国人のお客様に伝えられるよう、今からインバウンド施策をスタートしましょう!

ご意見などもお待ちしております!